vol.43 四大組織論5 ワールティズム

2025年5月21日水曜日

組織論

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四大組織論 ワールティズム

四大組織論の3つめは「ワールティズム」です

グルーピティズム、ポリスティズム、ナショナリズム、ワールティズムのうち、4番目の最後の四大組織論です


未知の組織形態 ワールティズム

ワールティズムは未知の組織形態です

グルーピティズムは数百万年

ポリスティズムは約1万年

ナショナリズムは約5000年

しかしワールティズムはなんと0年…つまりまだありません


ワールティズムとはなにか?

ワールティズムとは世界全体で1つの組織と考える組織形態です

もちろん存在しません

過去にローマ帝国やモンゴル帝国などの大帝国がありましたが、これらの帝国も全世界を支配したわけではありません

当時からすると全世界といっていいほどかもしれませんが…

現状では世界で1つの組織形態はまだ存在すらしないのです


ワールティズムの必要性

そもそもワールティズムは必要なのでしょうか?

なぜ影も形もない組織形態の話をするのでしょうか?

グルーピティズム、ポリスティズム、ナショナリズムはすでに存在していますが、ワールティズムはありません

まだないのにこんな話をするかというと、おそらくもう必要になってくるだろうと考えているからです

それはポリスティズムからナショナリズムが出てきた理由と同じだからです

ポリスティズムからナショナリズムになった理由は、ポリスティズム同士が繋がってしまったのが原因だと思います

交通機関や通信技術が発達して、ちょっと手を伸ばせば接触できる状態になってしまったのです

うまくやっている状態ももちろんありましたが、何かの拍子に戦争になってしまうことは多々ありました

そこでポリスティズム同士をまとめる必要が出てきたのです

それがナショナリズムが出てきた理由です

これと同じ理由でワールティズムが必要になってくると思われます

ポリスティズムの集合体ともいえるナショナリズムですが、ナショナリズム間の距離が近くなってしまっています

理由はこれまた一緒で交通機関と通信技術の発達です

いまや飛行機に乗れば世界のどこでも行くことができます

さらに現地に行かなくてもインターネットで現地の動画や地図をかんたんに見ることができます

AIによる言語の自動翻訳もこれから技術が増せば、海外の人とも意思の疎通がいまよりも可能になります

そうなればさらにナショナリズム間の繋がりが増していきます

このような理由でこれからワールティズムが必要になってくると思われます


ナショナリズムとの違い

ではワールティズムとナショナリズムの違いをみてみましょう

ワールティズムとはナショナリズムの1つが世界を統一したものなのでしょうか?

ナショナリズムとの違いはどこにあるのでしょう?

もちろんワールティズム自体存在しないので、そもそも比較のしようがないですがあくまで私が想像するワールティズムになります

ではワールティズムとナショナリズムを比較してみましょう


比較1 統一機構

まずは統一機構を比較してみましょう

ナショナリズムの統一機構は「理念」です

例えば同じ宗教に入って同じ神様を信じているとか、同じ思想を信じているとかです

この同じ「理念」を信じているから「仲間」としています

ワールティズムはこれがうまくいくでしょうか?

世界三大宗教や中華思想、または超大国の理念で世界をまとめられるでしょうか?

誰もわかりませんが、おそらく私は無理だと思います

なぜかというと世界は広すぎるからです

この「理念」は大陸一個分が限界だと考えています

キリスト教でいえばローマ帝国が東西に分裂したときに、キリスト教も西方教会(カトリック)と東方教会(ギリシャ正教会)に分裂しました

イスラム教もシーア派とスンニー派に分かれています

キリスト教もヨーロッパ大陸だけなら分裂しなかったかもしれませんし、イスラム教もアラビア半島だけなら分かれないかもしれません

中華思想も秦の始皇帝が中国を統一して以降、中国に根強くある思想だと思いますがモンゴルや東南アジア、そして日本にはなかなか定着しません

日本に住んでいる我々も絶対に中華思想にならないぞ!という強い意志をもっていないように思いますが、中華思想が定着する様子もありません

ですので強い理念であっても、なかなか大陸一個分を超えることはないと思います

つまり「理念」ではワールティズムは成立しないと考えます

ではどうすればいいのでしょうか?

ワールティズムの「仲間」である基準は「理念」ではなく「絶対共通項」が必要だと考えます

「絶対共通項」とは絶対に共通しているものです

そんなものあるわけないじゃないか?と思う人もいるかもしれません

宗教も文化も言語も確かにみんな違います

しかし「絶対共通項」は存在します

例えば「世界全員が人間」「全員が地球に住んでいる」など「絶対共通項」はちゃんと存在します

もう理念でもまとめるのは不可能なので、必ずすべての人が共通するものをワールティズムの「仲間」の基準にするしかないのかもしれません


比較2 統一行動

次は統一行動をみてみましょう

ナショナリズムの統一行動は、同じことをみんなですることです

若いの時にみんなで学校に行くのも、その学校で全国で同じ教育内容の教育を受けるのも、中学高校で同じ制服を着るのも、または体育館にあつまって君が代をみんなで歌うのも、統一行動です

これはワールティズムでも必要と考えています

ただし全世界で同じことをさせるのは容易ではありません

本当に全世界の人に需要がないものではないと、おそらくやってくれないでしょう


比較3 組織構造

続いて組織構造です

組織構造とは組織の構造です

そのまんまですが、どのような構造の組織かということです

ナショナリズムの組織はある側面はこうなっています

宗主国と属国です

アメリカ合衆国と日本国に例えると、宗主国はもちろんアメリカ合衆国で属国は日本国です

アメリカ合衆国も公式の場で「日本は子分だ」となかなか言わないと思います

しかしそれは本当に対等と思ってるのではく、上司が部下に対等だよと言っているのに近いです

ナショナリズムの組織はこのように親分子分に分けて考える傾向があります

これは別の言い方をすればアメリカ合衆国は、アメリカ合衆国以外の国を支配する気があまりないともいえます

逆らうのは許さないけど、きみたちはアメリカ合衆国じゃないよと言っているのです

本当にアメリカ合衆国が世界を支配する気があれば、こう言うかもしれません

アメリカ合衆国「アメリカ合衆国はUSAからUSEに変更します」

日本国「USE?」

アメリカ合衆国「United States of America から United States of Earth に変更します」

アメリカ合衆国「これからこの地球はアメリカ合衆国です。ですので日本人はアメリカ人ですよ。もちろん世界の人すべてアメリカ人です」

これを聞いた世界の人たちがどう思うのかはわかりませんが、実はメリットもあります

メリットはアメリカ合衆国のアメリカ人と完全に同じ扱いになるということです

実は宗主国と属国に分けてしまうと、属国側の人間は若干冷遇されていると考えています

特別理不尽な扱いを受けていなくても、なんか距離があるなと感じてしまうことがります

逆に宗主国側は覇権を狙っているのに、ある意味覇権を狙っていないという事も言えます

逆らわせないけど面倒だからそっちは支配しないと言っているとも言えなくはないのです

ナショナリズムだと大陸一個分が限界なので、こうするしかないのかもしれません

ワールティズムではこの壁と取っ払わないと機能しないのかもしれません


脳の認識

数百万年続いたグルーピティズムが1万年前に終わりを告げ、ポリスティズムとナショナリズムが生まれました

そしてナショナリズム同士が繋がってしまっている状態で次の組織形態に移行している過渡期が今なのかもしれません

我々生物は簡単には変わりません

おそらくグルーピティズムが数百万年続いたのなら

ポリスティズムも数百万年続き

さらに今のナショナリズムも数百万年続いたのなら

我々の脳はそれを本能で理解できると思います

しかしたった1万年前でもう次のワールティズムのような組織形態に移行しないといけなくなっているのでないでしょうか?

理性でものを考えることは人間はできますが、本能が納得しいないのでどうしてもグルーピティズムで考えてしまう傾向があります

理性で本能を完全に抑えきってしまうのは長続きしないかもしれません

しかし理性で機能する組織形態を考え、本能もある程度は納得するものを作らないと戦争はなくならないのかもしれません


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