vol.51  法律弱点部:法律定量化問題 タバコは子供は吸っちゃダメ?

2025年10月31日金曜日

法律

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法律弱点部:法律定量化問題 タバコは子供は吸っちゃダメ?

今回は法律弱点部「法律定量化問題」を大人はタバコを吸っていいが、子供が吸うと違法という内容で説明したいと思います

あなたは大人ですか?子供ですか?


二十歳からタバコを吸っていいのは変?

法律に詳しくない人でもタバコは20歳以上は吸っていい、または19歳以下は吸ってはいいけないという法律があるのは知っている人は多いと思います

これはよくこのような意見や批判を聞くことがあります

「19歳と20歳は変わらなくないか?」という批判です


19歳と20歳は変わらない?

20歳までタバコを吸ってはいけないという趣旨の法律がある理由の1つとして、健康上の理由があると思います

しかしよくこういう意見があります

「18歳や19歳と20歳はほとんど変わらない、20歳が健康上問題が特にないなら18歳や19歳も問題ないのではないか」という意見です

では

大人はタバコを吸っていい

子供はタバコを吸ってはいけない

という趣旨の法律のほうがいいのでしょうか?


定量化しないとどうなるか?

19歳以下と20歳以上で区分けするのは、ある程度定量化可能な内容です

もちろん法律定量化問題の境目ができてしまうのは事実なのですが、タバコを吸っている人が成人か未成年かは客観的に判断できます

大人と子供で区分けするとどうなるでしょうか?

大人と子供の定義がない場合は、裁く側や取り締まる側の主観やイメージで決まってしまいます

明確な定義があっても法律定量化問題の境目ができてしまうわけですが、それ以上に危険な状況になりかねません

簡単にいうと人治主義になってしまいます


大人はタバコを吸っていい 子供はタバコを吸っちゃダメ

大人はタバコを吸っていいという趣旨の法律があったとしたら、大人とはなんでしょうか?

子供はタバコを吸っちゃダメという趣旨の法律があったとしたら、子供とはなんでしょうか?

それぞれ考えてみましょう


定義1 年齢で大人と子供を分ける

では年齢で区分けするのはどうでしょうか?

もともと年齢で区分けしているわけですが、大人は何歳で子供は何歳を誰が決めるのでしょうか?

人によって大人と考える年齢は違うはずです

18歳の人がタバコを吸っていても、15歳以上は大人と考える人なら合法になります

25歳以上が大人と考える人から見れば、18歳の人は違法になります


定義2 仕事しているかどうか

仕事をしているかどうかで区分けするのはどうでしょうか?

これは仕事をしているかどうかで、大人か子供か決めるのがいいのかは別として一応定量化できそうです

しかし仕事をしているを定義しないといけません

例えば休職中の人は仕事をしているでしょうか?

アルバイトの人は仕事をしているでしょうか?

アルバイトでも週3日勤務の人は?または週5日勤務でも1日1時間労働の人は?

YouTuberで配信をしているがお金を稼げていない人は?

これを裁く側や取り締まる側の主観やイメージで判断すると、相手は自分が仕事してるのかしていないのかすら分からなります


定義3 体が大きいかどうか

体が大きいかどうかで区分けするのはどうでしょうか?

体が大きい人は大人、体が小さい人は子供という区分けをしたとします

イメージでは確かに子供よりも大人のほうが体が大きい場合があります

しかし体格には個人差があります

体格の大きい人は若いころからタバコを吸え、小柄な人は永遠にタバコを吸えません

この状態が良いのか悪いのかは別として、定量化しないと大変なことになります

体が大きいかどうかを第三者が勝手に判断するのです

あきらかに大きな体格の人もいますし、小柄な人もいます

しかし大半の人はどちらともいえます

中肉中背の人は体が大きいでしょうか?小さいでしょうか?

裁く側や取り締まる側が、主観やその時の気分で判断する可能性があります


定義4 大人っぽい風貌かどうか

大人っぽい風貌かどうかで区分けするのはどうでしょうか?

大人っぽい風貌の人は大人、子供っぽい風貌の人は子供という区分けをしたとします

未成年でも強面の人は大人、シブそうな顔立ちの人は大人と判断されやすくなります

成人でも童顔の人はずっとタバコは吸えません

顔で判断するのはどうかとも思いますが、それ以上に問題なのは自分が大人か子供かどちらなのか誰もわからないという事です

大人っぽい風貌を定量化しないと、人によって基準が違うのである時はタバコ吸ってても何も言われないのに、別の時に急に捕まったりします

大人っぽい風貌を定量化するのはかなり難しい内容なのかもしれません

法律定量化問題以前の問題です


定義5 結婚しているかどうか

結婚していれば大人、未婚なら子供、このような基準もありえます

この基準がいいのかわかりませんが、結婚は定量化しやすいかもしれません

役所に婚姻届けを出して受理されれば結婚している

婚姻届けを出していない、または受理されていない場合は結婚していない

これだと定量化は比較的可能かもしれません

しかし定量化すると境目が出来てしまいいます

例えば付き合っているけど結婚はしない事実婚の人は子供になります

離婚した人も子供になります

またタバコを吸いたいためだけに結婚する人も出てくるかもしれません


大人とは? 子供とは?

タバコは大人は吸っていい、子供は吸ってはダメという趣旨の法律は、大人と子供の定義をはっきりさせないといけません

大人と子供の定義のイメージは人によって違いますし、その時の流行などでも変化します

タバコを吸っている人に対し、取り締まる側や多数派の第三者が謎の基準を押し付けてくる可能性はかなり高いと思っています

定量化は法律では非常に大事だと思われます


定量化しないと大変危険

大人と子供を定量化すると境目が出来てしまいます

これを法律定量化問題といいます

もちろんこのブログでの話で法学でそのような用語はありません

定量化によってどちらでもない曖昧な境目ができるのは確かによくないかもしれません

しかしそれ以上に定量化しないで主観やイメージで判断するのは大変危険です

事実上の人治主義といってもいいかもしれません


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