法律弱点部:法律定量化問題
では今回は「法律弱点部」の1つ「法律定量化問題」についてです
「法律定量化問題」とはなんでしょうか?
法律と定量化
そもそも「法律定量化問題」の定量化とはなんでしょうか?
定量化とはいろいろな定義があるとは思うのですが、数値化することだと思います
例えば学力を偏差値という数値で定量化したりすることもできます
偏差値70であっても理系が得意な偏差値70もいれば、文系が得意な偏差値70もいます
偏差値70といっても実際はみな同じではなく得意分野や考え方が違っていたりします
ですので本当に正確で完璧に分かるわけではないですが、おおよその目安になったりする事はできます
法律は定量化しないと機能しない?
法律はかなり定量化しているのではないかと思っています
例えば「タバコは20歳から」という法律は20歳以上はタバコを吸っていい、そして19歳以下はタバコを吸ってはいけないと、年齢で区分けをしています
抽象的な区分けではなく年齢という定量化された区分けで合法か違法かを判断しています
ですのでなんとなく「タバコはあんまり吸わない方がいいよ」という法律だと定量化されていないので、言われた相手からすると「あんまり吸わない方がいい」というのは年齢のことなのか、本数のことなのか、それとも別の基準なのか、よく分からなかったりします
もう1つ例えをいうと、殺人と殺人未遂です
どんな凶悪な殺害方法であっても相手が死ななかったら殺人ではなく殺人未遂です
殺人と殺人未遂のちがいは凶悪犯罪かどうかではなく、被害者が亡くなったかどうかです
定量化とはちょっと違うかもしれませんが、被害者が亡くなったかどうかで区別しています
法律は定量化するとヤバい?
法律は定量化するとヤバい?
これが「法律定量化問題」です
法律を定量化すると境目ができてしまいます
この境目が「法律定量化問題」です
例えば101kg以上のパンチ力でパンチをしたらパンチ傷害罪、100kg以下のパンチ力でパンチをしたらパンチ軽傷害罪という法律があったとします
しかし100.5kgのパンチ力でパンチした場合は、パンチ傷害罪とパンチ軽傷害罪のどちらに相当するのでしょうか?
このような定量化すると境目ができてしまい、境目の内容だった場合はどちらにすればよいか分からないという場合も出てきてしまいます
法律は定量化しないとヤバい?
では法律は定量化しない方がいいのでしょうか?
これはさらに危険です
強いパンチはパンチ傷害罪です!そして強くないパンチはパンチ軽傷害罪です!という法律はいいでしょうか?
では聞きますが、強いパンチと強くないパンチのちがいはなんでしょうか?
おそらくは判断する側が決めることになると思います
つまりパンチした側は自分が強いパンチと強くないパンチのどちらのパンチをしたのか全く分からないという事になりかねないということです
となると判断する側が悪意があったり、悪意はなくてもまともな判断を強いない可能性があります
要するに人治主義と同じになってしまいます