善意遠近法
今回から新シリーズ「善意遠近法」です
善意遠近法は福祉構造の一種です
福祉構造は過去に三大市場原理論を書きました
三大市場原理論についてはこちらからどうぞ
福祉サービスがおかしくなる原因
福祉サービスがおかしくなる原因はたくさんあると考えます
しかしおかしくなる大きな原因の1つは「三大市場原理論」「善意遠近法」にあります
単純にいうと多数派による福祉への勘違いが原因です
このシリーズでは「三大市場原理論」と「善意遠近法」の関係性も見ていきましょう
三大市場原理論とは?
上記にリンクがありますが、三大市場原理論についてもう1度書きたいと思います
三大市場原理論とは市場原理を3つに分ける考え方です
1つはサービスを受ける側の 当事者型市場原理
2つはサービスをする側の サービス提供者型市場原理
3つはどちらでもない 第三者側市場原理
この3つのうち
当事者型市場原理が強いと福祉業界にかぎらず、その業界は機能する場合が多いです
しかしサービス提供者型市場原理と第三者側市場原理が強いと、その業界はだいたい機能していません
サービス内容がいい業界はだいたい当事者型市場原理が強く、サービス提供者型市場原理と第三者側市場原理が弱いです
民間企業はだいたい当事者型市場原理がつよい
民間企業は大半が当事者型市場原理がつよいです
もっと簡単にいうとお店や企業より、消費者のほうが立場が上です
民間企業が商品を作って販売する場合、その商品を買うか買わないかの決定権はだれにあるでしょう?
当然ですが消費者にあります
どのようなすごい大企業であっても消費者に無理やり購入させることはできません
つまり企業側は消費者の立場にならざるをえないのです
好意で消費者の立場になっているのではなく、消費者の立場にならないと会社がつぶれてしまうのです
この場合サービスの品質は向上します
行政はだいたいサービス提供者型市場原理がつよい
行政サービスはかなりサービス提供者型市場原理がつよい場合が多いです
これはなぜかというと利用者側の立場にならなくても困らないからです
税金は強制的に徴収できますし、行政サービスをよくしても短期的や局所的には彼らに利益はありません
行政サービスの質を上げても上げなくても、行政側は特に困りません
この場合サービスの品質は低下します
福祉はだいたい第三者側市場原理がつよい
福祉サービスは第三者側市場原理がつよいです
その上でサービス提供者型市場原理がつよくなります
どうしてそうなるかというと、福祉サービスの大半は世論を非常に気にします
ですので福祉サービスを受ける少数派ではなく、福祉サービスを受けない多数派を納得させようとします
行政の福祉サービスは多数派が納得すればそれで成功なのです
民主主義なので多数派の批判は怖くても、少数派の批判は怖くありません
多数派さえ批判しなければ、あとはサービス提供者型市場原理がつよい状況を維持できます
この場合サービスの品質は低下します
善意遠近法との関係
この三大市場原理論と善意遠近法は、非常に密接な関係があります
次回からその説明をしたいと思います